
この記事では鯛のさばき方、刺身になるまでの工程を解説します。
鯛は養殖、天然とあります。さらに、真鯛、チダイ、レンコ鯛など、色々な種類がありますが、写真の魚は天然真鯛になります。
それでは本題に入る前に恒例のチャンネルの宣伝をさせてください。
テキストより動画の方が圧倒的に伝わりやすいので、見れる環境にある方は動画を推奨しておきます。
鯛の動画は古いものしかなかったので、さばき方が同じ金目鯛の動画を貼っておきます。
鯛のさばき方(三枚おろし)
まずは鯛を三枚におろす手順から解説します。三枚おろしの手順は以下
- 魚を水洗いする
- ウロコを落とす
- エラを取り除く
- 腹を切り開き内臓をだし、血合いの膜に切り込みをいれ水洗いする
- 水分をとる
- 頭をおとす
- 三枚におろす
- 腹骨を外す
以上で三枚おろしが完了です。ここから刺身に切りつけていきます。
魚を水洗いする
初めに真水で水洗いします。
魚には腸炎ビブリオ菌が付着していて、これは真水に弱い性質をもっています。
というわけで食中毒予防のために調理前に必ず魚を水洗いしてください。
ウロコを落とす

続いてウロコが付いてない一部の魚を除くと、魚の調理は基本的にウロコを落とす作業からスタートです。
家庭でウロコを落とす場合は、ウロコ取りを横にスライドさせるのではなく、縦に取っていくと飛びにくくなります。
あとは、流水しながら、袋に入れて、などウロコが飛ばないようにする方法はいくつかあります。
ヒレで怪我をしないようウロコを丁寧に取り除きます。
ウロコ取りで取った後は包丁でヒレ付近を取り除く

専用のウロコ取りで綺麗にとったつもりでも、ヒレ付近のウロコはどうしても残ってしまいます。
そこで包丁の出番です。包丁の先や根元をうまく使いヒレ付近の残ったウロコを落とします。
エラを取りのぞく

ウロコを落とし終えたらエラを取ります。エラは以下の手順で取れます。
- エラ周りの膜(つながってる部分)を切る
- 先端の接続部分を切る
- 根元の接続部分を切る
と、簡単に書いてみましたが、これはテキストと写真で説明するより動画のほうが圧倒的に伝わるので動画見てください。
ちなみに、エラはこの時点で取らなくても頭を割るときに取り除いてもOKです。
自分がやりやすい方を選択してください。
腹を切り開き内臓をだし、血合いの膜に切り込みをいれ水洗いする

エラがとれたら腹を切り開き内臓をとりだします。そして、血合いの膜に切り込みを入れて水洗いします。


血合いを掃除しやすいように血合いの手前にある膜を切っておきます。
そして流水しながら血合いを綺麗におとします。ささらがあると便利ですが、無い場合は爪楊枝を束ねたもので血合いは綺麗に落とせます。

自宅で魚を調理することが多い方は「ささら」など常備しておくと便利です。

水分をとり三枚におろす
血合いを綺麗に洗えたら、この時点で魚、まな板の水分はしっかりと取っておきます。
ここから先の工程で水は不要です。

頭をおとす
それでは三枚におろしていきます。まず頭を落とします。

頭は胸びれと鯛の後頭部、腹びれを結んだ線で落とします。
頭を煮つけなどに使う場合は大きめに落とし、使わないのであれば少しでも身を残すためにギリギリで落とします。
三枚おろし

三枚おろしは↑の写真のように魚をおき、腹→背の順に包丁を入れます。
三枚おろしのポイントは力を抜いて包丁で切る意識で、以下の手順でやってみてください。
- 一刀目はガイドライン(包丁を入れる線)をつくること
- ガイドラインから骨に沿って刃先を滑らせていく
- 真ん中の大きな骨に刃先が当たったら骨の上まで刃先をいれておく
ここまで完了したら身を軽く持ち上げて骨から切り離してあげます。強く持ち上げると身が割れてしまうので注意。
腹骨を外す
身をおろすことができたら腹骨を外します。

腹骨と血合い骨の境目に逆さ包丁を入れます。そこから出来た切り込みから包丁をいれて腹骨を外していきます。
鯛の腹骨は深く入ってるので難易度高めです。
コツを書いておくと、慣れないうちは丁寧にゆっくりと作業して骨の形を覚えること。
一気に外す必要はないので、ゆっくりと一本ずつ外していく気持ちで作業しましょう。
その反復で骨の形がわかるので、形が分かってくると自然と素早く外せるようになります。
ここまでで三枚おろしは完了です。刺身以外の料理法でしたら、ここから唐揚げ、煮つけ、フライと好き方法で料理してください。
刺身の作り方
それでは三枚おろしが完了したので、ここからは刺身の切り方、作り方について解説します。
骨を取り除く
三枚おろしの状態で刺身に引いても骨が残るので、骨を抜く、もしくは包丁で落とすか選択します。
今回は血合い骨の両サイドから包丁を入れ骨を取りのぞきます。
↓の画像のように血合い骨の両サイドに包丁を入れて血合い骨をとります。

ちなみに骨抜きで抜いても構いません。というか、骨を抜いたほうが余すことなく身を使えるので、どちらかといえば抜くのを推奨します。

皮を引く
ここから皮を引きますが食べ方によって皮は引く必要ありません。
魚によっては皮を残して、湯霜(湯引き)、焼霜(炙り)などにして食べる方法があります。
皮を残して刺身に引く場合は皮を取る必要はありません。
皮を引く場合はしっぽの方から頭側に向かって包丁を滑らせて取りのぞきます。

皮引きをうまくするコツは以下に注意してください。
- 皮を引く面積をなるべく狭くする
- 皮を引っ張りながらまな板と包丁を平行にする
- 凹凸のないまな板で皮を引く
1の「皮を引く面積をなるべく狭くする」について解説すると、↑の写真では半身の状態で皮を引いてますが、真ん中から割り(背中・腹の身に分ける)皮を引くことで難易度が下がります。
なるべく皮の幅を狭くすることで一気に難易度が下がるので試してみてください。
湯霜(湯引き)・焼霜(炙り)にする
皮を残して食べるなら湯霜、焼霜にします。
個人的には焼霜が好みですが、こればかりは好みになるので気になる方は、皮を引いた刺身、焼霜、湯霜と3種類作って自分の好きな食べ方を見つけてみてください。
作り方は単純で、三枚におろした鯛の皮を焼けば焼霜、お湯で柔らかくすると湯霜です。
おろした鯛の皮に沸騰したお湯をかける、皮を焼く。そして氷水で冷やします。皮目を炙るにはトーチバーナーが便利です。



氷水に落とし粗熱が取れたら水分をしっかりとふき取ります。

ここまで完了したら30分ほど冷蔵庫で身を落ち着かせて切っていくだけです。
刺身に切る
それでは刺身に引いていきますが、皮を引いた刺身を作るなら平造りで切っていけばOKです。特に注意点はありません。
そぎ造りにしてもいいし、薄造りにしても美味しく食べられます。
問題は皮を残した刺身です。湯霜、焼霜にする場合、皮が口に残ってしまうと台無しになります。
そこで↓の写真のように皮目に切り込みを入れます。写真は1本だけ入れてますが、これは大きさによって2本、3本と調整してください。

こうすることで1切れ当たりの皮の面積が小さくなるので、皮が口の中に残りにくくなります。
あとは↓の写真のように切り付ければ鯛の刺身の完成です。

【おまけ】簡単なカルパッチョの作り方

写真は超簡単な鯛のカルパッチョ(風)です。
作り方は簡単で、皮を引いた鯛の刺身に、
- オリーブオイル
- 塩・ブラックペッパー
- 好きな柑橘の絞り汁
これを和えるだけで完成です。これも動画にあるので興味のある方はご覧ください。
1匹の鯛からでも下のように切り方、食べ方を工夫すれば色々な味が楽しめるのでおすすめです。

ぜひ皆さんもお試しくださいな。こんな動画を発信してますのでYouTubeチャンネルもよろしくお願いします。
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