
毎日のように魚を見ている魚屋さんでもなければ、ぱっと見で見分けることが難しい「カンパチとブリの違い」を徹底的に解説します。
天然物で比較しても良かったのですが、一般的に目にするのは圧倒的に養殖物が多いでしょうから、この記事では養殖のカンパチ・ブリで比較します。
養殖物で比較しますが天然のものでも、それほど大差ないので参考になれば幸いです。
カンパチとブリの違い
丸の状態での見分け方
まずは丸の状態(さばいてない状態)でカンパチ・ブリを見分けるポイントを解説します。
丸の状態で入手する方は稀でしょうが、魚釣りをする人などは覚えておくと良いと思います。
口元に注目!ブリはとがって、カンパチは丸い
丸の状態のカンパチ・ブリを見分けるのは簡単ではありません。もし迷ったときは「口元」を確認してください。
カンパチは角が丸くなっていて、ブリは角がとがっています。
これは文字で解説しても伝わらないので下の画像をご覧ください。まずはカンパチ。

角がなく、なめらかな曲線になっているのがカンパチです。それに対しブリは角が尖っています↓

「この魚はカンパチ?ブリ?」
こんな時は口元に注目してみましょう。角の有無でカンパチかブリか見分けることができます。
ただ、これを書いておいてなんですが、ブリ・カンパチによく似た「ヒラマサ」という魚がいます。ヒラマサもまた見分けが難しい魚なので、これは別で記事にしようと思います。
カンパチには「眉毛」があるんです
カンパチとブリの違いに目の上にある線の有無があげられます。
カンパチは正面から見ると目の上にある線が漢字の「八」に見えることから「間八(カンパチ)」と呼ばれるようになったのが由来。
下の写真は養殖物なので、少し分かり辛いですが目の上の「線」を確認してください。

天然物だとはっきりと分かりますが、養殖だとわかりづらい。人間でいう「眉毛」がカンパチにはあるんです。
これがブリにはありません。

こうしてみるとブリはヤンキーっぽい顔してますね。
頭から尻尾まで伸びる「線の色」の違い
この線、カンパチは「黄色」、ブリは「緑色」になっています。
見分けるのに慣れていないと分かり辛いですが、↓の画像がカンパチ

そしてブリ↓

黄色がカンパチ、緑がブリと覚えておけばいいでしょう。
腹の色の違い
カンパチ・ブリは「腹」の色がはっきりと異なります。ブリは白、カンパチは銀色になっているんです。

画質が落ちているので分かりにくいかも。ブリのお腹は真っ白なのに対し、カンパチは銀色っぽいのが特徴。
カンパチよりブリの方が太っている
これは魚によって違ってくるので覚える必要はないでしょうが、豆知識くらいに思っていてください。
カンパチはブリに比べると平べったく幅があり、逆にブリは丸々と太っていくのが特徴です。
分かりやすく人間で例えると、ブリは身長は変わらず横に大きくなっていくと思ってください。逆にカンパチは身長が伸びていくイメージです。
丸の状態での違いはこれくらいにして、続いては「身」の違いについて解説していきます。
迷ったらこれをチェック!口の「尖り」、眉毛の有無、線の色、腹の色を確認する!
おろして身を比較してみる
丸の状態の違いは分かっていただけたでしょうか?
続いては三枚おろしにして「身」の違いや「血合い」の違いについて解説していきます。
おろした状態では素人目で見極めるのは不可能といっておく
毎日のように魚を扱っている人であれば見分けることも可能ですが、見慣れていない一般の人が見分けることは不可能です。

写真では伝わりませんが、実際はブリの方が若干ですが赤っぽさが強いです。でも、ぱっと見で慣れていない人が見分けることはできません。
これは腹骨を取りのぞいても同じです。

ブリの方が血合いが大きくて濃ゆい
ここから「中骨」を切りおとして断面を比較してみましょう↓

断面を見るとブリの方が血合が大きいこと、さらに色目が濃ゆいことがわかります。
血合いだけの画像もどうぞ↓

マメ知識になりますが、ブリの血合いの変色は非常に早いですが、カンパチは色変わりがブリほど早くないので売りやすいのはカンパチになります。
皮を引くとブリは白、カンパチは銀色
丸の状態の腹の色と同様に、皮を引くとカンパチは銀色、ブリは真っ白になります。比較しやすいように腹身の方の画像を使用しています。

ブリは皮を引いても白、カンパチは銀色なので見分けやすいですね。
カンパチ・ブリの刺身の比較
カンパチは歯ごたえがあり、ブリは柔らかい
ブリとカンパチの刺身の大きな違いはズバリ「歯ごたえ」です。
コリコリしていて噛み応えがあるのがカンパチ、逆にコリコリ感がないのがブリになります。
カンパチは鮮度が良すぎる状態(つまり活魚)で刺身にするとゴムを噛んでいるような食感で旨みは感じることができません。
特に「トロ(腹身)」は固くて食べにくくなります。このような理由からカンパチは一晩ほど寝かしてから刺身にすると良いでしょう。
カンパチの刺身↓

ブリの刺身は柔らかく、活魚でも旨みを感じることができます。トロの部分も活魚の状態で刺身にしても食べにくいことはありません。
ぶりの刺身↓

上述した「血合いの大きさ」も刺身にすると分かりやすいですね。
ブリの方が脂がのる
旬の天然カンパチは例外になりますが、養殖物だと脂が多いのはブリになります。
脂の乗った刺身を好むのならブリ、コリコリとして食感ならカンパチがお勧めになります。
加熱調理にしても脂がのった魚の煮付けならブリ、身が締まった魚であればカンパチということです。
価格の違いについて
最後に価格の違いにも触れておきます。天然のカンパチ、ブリになると時期や大きさ、さらには太り方、水揚げ地で価格が大きく変わります。
養殖物でも特定のブランドになると高いものもありますが、通常の養殖物だと大体一定の価格になっています。
※これは地域によって差があります。
参考までですが私の地域での比較を表にしてみます。※曲がったり、病気が入っているものは対象としていません。
キロ単価 | |
カンパチ | 600円~1400円 |
ブリ | 500円~1000円 |
鹿児島県では養殖物のキロ単価で比較するのなら、ブリよりカンパチの方が高くなっています。
鹿児島のカンパチは本当に美味しいのでお勧めさせてください!さらに長島のカンパチはブランドとして県内でも人気があるので、私のおすすとしては一択にしています。

養殖ぶりなら宮崎県の有名どころ「黒瀬ブリ」が超おすすめ!
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