
写真はカマスの焼霜造りの画像です。
料理屋さんはもちろん、スーパーでも見かけることが多いですよね。
魚の刺身をわざわざ皮つきで食べる理由は「皮と身の間の旨み成分」を味わうため、そしてもう1つ「皮そのものが旨い」ので身と一緒に食べようというわけです。
しかし、生の状態の皮を焼かずに食べてしまうと臭みがある上に固くてかみ切れません。
そこで「焼霜造り(焼き切り)」や「湯霜(湯引き)造り」といった方法で皮を食べやすくしてしまうんですね。
焼霜、湯霜と2つの手法がありますが、今回は「焼霜造り」の手順を解説していきます。
私のチャンネルで解説してるので見れる環境にある方は動画もどうぞ↓
魚の焼霜造り
シンプルに生の刺身ももちろん美味しいのですが、皮目を焼くことで香ばしい臭いを放ち食欲を沸かせます。嗅覚に訴えるわけですね。

さらには加熱することで余分な水分が抜け、うまみ成分が凝縮されるのでしょう。
それでは焼霜造りの手順に入ります。
焼霜造りの作り方
焼霜造りを家庭で作るには必須ともいえる道具があります。

それがトーチバーナー。家庭用のガスボンベに接続して簡単に強火が出せるすぐれもの。
私もトーチバーナーを購入する前はガスコンロで焼いたりしてましたが、脂が落ちてコンロが汚れるので推奨しません。
家庭で焼霜を作るのならトーチバーナーは用意した方が良いでしょう。トーチバーナーがないのであれば「湯霜(湯引き)」を推奨しておきます。
話が逸れましたが焼霜造りを作る手順は以下
- 魚を三枚におろす
- 腹骨を外し骨を抜く
- 氷水を用意する
- トーチバーナーで皮目を一気に焼く
- 氷水につけて冷ます(熱が伝わらないよう)
- 氷水からあげて水分をふき取る
- 刺身に切る
以上になります。
魚を三枚におろす
まずは魚を三枚におろさなけばなりません。魚のさばき方については以下のリンク先で学んでください。

魚のエラ、内臓を取りのぞき水洗い後、頭を落とします。そこから三枚におろしにしていきます。
三枚おろしまで終えたら、腹骨(ガンバラ)を外し骨を抜きます。※魚体が大きなものであれば中骨を切り落としてもOK

三枚におろし、腹骨、血合い骨を取りのぞいたら氷水を用意します。(魚が入る程度の大きさのボウルで構いません)

氷水を用意する理由は、皮目を強火で一気に焼いた後、急速に冷やすことで熱が入り過ぎるのを防ぐためです。
氷水を用意したらトーチバーナーを使って皮目を一気に焼いてしまいましょう。


焼く際のポイントは「しっかりと焼き切る」こと。
焼きが足りないと固い皮が口の中に残ってしまいます。
しっかりと焼けたら氷水に入れ、熱が冷めたら取り上げて水分を取りましょう。
切ってから焼く方法も
ここまで柵の状態で焼霜にする方法を書いてきましたが、切ってから焼く方法もあります。
これは解説するまでもないですが、皮つきのまま刺身に引いて皮をトーチバーナーで焼くという手順になります。

切ってから焼く場合は氷水に落とさずに、そのまま食べる場合が多いです。
使い分けとしては、私の場合は「皮が柔らかい魚種」は切ってから焼いたりします。
逆に「皮が固い魚種」は柵の状態で焼くことが多いですかね。
理由としては、皮に歯ごたえがある魚の場合、しっかり焼かないと皮が口に残ってしまいます。
刺身の状態にしてから長い時間焼いてしまうと、どうしても身に熱が入り過ぎてしまうのですよね。
焼霜造りの刺身の切り方
せっかくなので刺身の切り方も書いておきます。
焼霜造りに限らず、皮を残して刺身にするのなら「なるべく食べやすく切る」ように私はしています。
皮がしっかりと焼けていれば、もちろんそのまま切っても問題はありませんが、より食べやすくするために、
- 切りかけ切り
- 皮目に切り込みを入れる
この2つの方法で私は切ることが多いです。これらを順に解説します。
※歯ごたえ抜群の刺身を好む方は、そのまま切ってもOKです。そこは好みで調整してください。
切りかけ切り
この切り方は文字通り、1回目は切りかけて、2回目で切り落とす手法。
↓のように、まずは軽く切りこみを入れて(1回目は皮だけ切るイメージ)

2回目の包丁で切り落とす↓(文字で伝わらなかったら動画を視聴ください)

厚きりの1切れの間に切り込みを入れてる状態です↓

こうすることで、より皮が細かくなるので口の中に残りにくくなります。
皮目に切り込みを入れる
続いて皮目に切り込みを入れる方法。
柵の状態で↓のように皮に切り込みをいれておきます。


こうして刺身に切ることで皮が細かくなり食べやすくなります。※これと上述した「切りかけ切り」を併用するとより食べやすい
もう一つ、切ってから皮を包丁の根元で叩いて刻む方法↓


どの方法を選択するかは自宅の包丁と相談してくださいな。
生の刺身と焼霜を組み合わせて作ると食感も味も変わるのでお勧めです。
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