苦手な方も多い「魚の腹骨」の取り方について解説します。
加熱調理にするのなら取らなくても良いのですが、刺身や寿司で食すなら取らなきゃならないのが腹骨。
私も魚の仕事を始めたころ非常に苦手だったことを覚えています。何気に難易度のたかい作業ですから。
そんな「腹骨とり」ですが、失敗する確率を下げる手法を解説したいと思います。
魚の腹骨の取り方
と、その前に魚の腹骨ってどこよ?という方のために画像を。↓の赤い丸の部分が腹骨。

魚を調理したことがある方には分かるでしょうが、この部分をきれいに外すのが何気に難しい。
そんな難易度の高い「腹骨とり」ですが、これから解説する通り丁寧に作業することで、綺麗に取り除くことができます。
それでは行ってみましょうか。
小骨と腹骨のつなぎめを切る
まず包丁を入れやすいように、中骨と腹骨のつなぎ目を切ってしまいます。
そのつなぎ目とは↓のこと

腹骨を取るには上の画像の赤線の部分に包丁を入れて行く必要があります。
しかし、小骨と腹骨がつながっていて包丁をすっと入れることができないのです。なので、先につなぎ目を切っておくと良いです。
方法としては簡単で、包丁を逆さにして尻尾側から滑らせていくだけ。下の画像の包丁の向きをごらんあれ。

刃を自分とは逆方向に向け、切っ先を滑らせていくだけ。こうすることで、一刀目がスムーズに入ります。ほら↓

この隙間から包丁を入れていき、腹骨の形に添って外していくんです。
慣れていないうちは一発で落とそうと思うな
経験の浅い魚屋でも腹骨をうまく外せない人は多く、失敗する場面もよく見かけます。
包丁の扱いには慣れているのに失敗する理由が「一発で外そうとするから」です。
腹骨というのは数本の骨が入っているのですが、魚によって角度が違いますし、入る深さも異なります。
なので腹骨を外すときは、手前から一本ずつ丁寧に外していくようにしましょう。それが失敗せずに綺麗に外すコツ。
そしてもう1つ注意点が。
腹骨は斜め下に一直線に入っているのではなく、「U」の字のようになっているので、後半は包丁の角度を上に向ける必要があります。


手前から一本ずつ丁寧に。めくりながら作業すると次に外す骨が目視できます。

全ての骨を外し終えたら完成です。お疲れ様でした。腹骨を外したら皮を引いて、血合い骨を取りのぞけば後は切るだけです。
最後に
写真の魚は「ヘダイ」ですが、腹骨は魚種によって本当に様々です。
この記事で1番伝えたかったことは「一本ずつ丁寧に」ということで、これさえ守っていればどんな魚にも応用が効きます。
もし、腹骨を外すのが苦手な方が読んでいるのなら、一本ずつ丁寧にを心がけてくださいね。
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