
この記事ではヤリイカのさばき方を丁寧に解説します。
このヤリイカは長崎のもので、私が住んでいる鹿児島では主力として販売されてます。
テキストではなく動画で見たい方は↓
ヤリイカの刺身の作り方
まずは下処理からスタート!
ヤリイカの下処理の手順
ヤリイカの下処理を始めますが、最初に包丁を入れる方向を画像で確認してください。
下の2枚の画像をご覧下さい。まずは一枚目。

続いて2枚目。

1枚目の写真には口のような部分がありますよね。この部分が無い方から包丁を入れてい行きます。

こっちから包丁を入れる理由はイカにある軟甲で包丁を止めるためだぜ。
うっかり切ってしまうと墨袋が破れて奥さんにグーパンされるから気を付けるんだぜ。
この向きを間違うと墨袋を切ってしまうので注意です。
それでは包丁の入れ方を。下の画像の部分に包丁を入れましょう。

イカにある軟甲に沿って包丁を入れていきます。切るのは軟甲までなので力をいれすぎないようにしてください。
これが軟甲です↓

切り込みを入れたらそこから開いて軟甲を取り出します。その後、↓のようにヤリイカを開きます。

真ん中に見える黒いものが墨袋です。小さいけど破壊力満点なやつ。
この状態から、右手はゲソをもち、左手で胴体を押さえ、ゲソを引っ張って引き離します。
ちなみにゲソは胴体の方に持ち上げるイメージで外してください。



ゲソと胴体が離れました。この状態になったらゲソの方に墨袋がついてるので指でつまんで取り除きます。
よく見ると墨が出る部分がわかるので、そこをつまんで引っ張りましょう。ここは慎重に頼んます。


これで墨袋がとれました。墨を使った料理もありますから必要な人はとっておきましょう。使う予定がなければ捨てましょう。
それではここからゲソの処理をしていきます。
ゲソの処理
まずはヤリイカの目と目の間に包丁をいれ開きます。


開いたら、目、クチバシを取りのぞき、ぬめりやワタを流水で洗います。
目の部分には包丁で切り込みをいれて取りのぞきます。※深く切り込みをいれると目玉が破れてまな板が汚れるので注意。
取りのぞき水洗いしたら↓のようになっているはずです。

ここまですればゲソの処理は完了です。あとは食べるには以下の手順でどうぞ
- たっぷりの塩をふり手もみする(ぬめりをとる)
- 食べやすい大きさにカットする(後からでもOK)
- 水で洗う
- 沸騰したお湯におとして軽くボイルする
- 氷水におとす
- 酢味噌で食べる
身の方を刺身で食べるので、ゲソは個人的にはボイルで食べるのをお勧めします。

エンペラーの処理
続いてエンペラの処理をします。
ヤリイカを↓のように向けまな板におきます。そこから先端(とがった方)部分のエンペラを指でつまみ引っ張りましょう。


あまり力もいらずスゥーっと外れます。超気持ちいい。

ここまでの手順通りにすれば下の画像の状態になっているはず。3つの部位に分かれますが、どの部位も生(刺身)食べることが可能。
エンペラーは以下の画像の状態なので、最後に皮をはぎます。

この状態から包丁を使って皮をとってもいいですが、小さいヤリイカなら手で取り除けます。
手でとる場合は布巾やキッチンペーパーを使うとラクに取れます。

これでエンペラーの下処理も完了です。
ヤリイカの刺身を造る
それではいよいよ刺身を作っていきます。
まずヤリイカの身についてる不要なもの(エラや内臓)を取り除き、タオルやペーパーで薄皮をとります。

薄皮がとれたら後は刺身に切るだけです。
ちなみに沢山のヤリイカが手に入った場合は、このタイミングでペーパーで巻いた後ラップで巻けば冷凍保存できます。
ゲソはまとめて冷凍しておき、バター焼き、煮つけ・唐揚げと好きな料理にすればOK。身は1か月以内に解凍して刺身にしましょう。
それでは身を刺身に切っていきます。今回は糸づくりにします。

見にくいですが、ヤリイカの身の部分です。このまま切っても良いですが、軽く包丁を入れることで柔らかくする事ができます。

軽くクロスさせるように切込みを入れます(あくまでも軽く表面を切る程度)。切込みを入れることで、数回噛んだのと同じ効果が。歯ごたえを重視する人は切り込みを入れなくてもOK。
切込みを入れるとこのような状態に。

分かりにくい写真ですみません。。。軽く切り込みを入れた状態です。
ここから糸造りにしていきます。切り方は以下。

これで身の部分は完了です。
ゲソ、エンペラーを刺身に
エンペラーは大きくなければ半分に切り、大きければ三等分くらいに。
ゲソは好みの大きさにカットすれば良いでしょう。後は盛り付ければ完成です。

下足とエンペラーは刺身で食べなくても、ボイル(塩茹で)後そのまま食べても美味しいですし、酢みそをつけて食べても美味。
バター焼き、からあげ、煮付けで食べてももちろん美味しいです。身は刺身、下足、エンペラーはバター焼きなど、その日の気分で食べ方を変えるのも面白いですね。
ヤリイカに寄生虫はいるのか?
今のところヤリイカに寄生虫(アニサキスなど)がいたという報告はありません。
ただ、同じ仲間のスルメイカには入る事例もありますので、念のため目視して確認したほうが良いでしょう。
リンク先で書いていますが、もし寄生虫が気になる場合は48時間の凍結後、解凍して刺身にすることを推奨しておきます。
小さなヤリイカに関しても記事にしています↓
コメント
わかりやすいですね!
レシピですね。
ヤリイカの刺身はいいですね!
この時期、さっぱりしたものが食べたくなるので
夏には最適だなと思います。
すごく参考になります!
ありがとうございます。
>金山 直志さん
ヤリイカの刺身はイカの中では一番のお勧めですね^^