
この記事ではイサキのさばき方(三枚おろし)の工程から刺身になるまでを解説します。
私が住んでる鹿児島では年間通して食べられる魚ですが、特に梅雨時期と11月~1月にかけて非常に脂が乗っている印象です。
これからイサキのさばき方を解説しますが、テキストではなく動画の方が分かりやすいので、見れる環境にある方は動画の方をお勧めしときます。
イサキのさばき方
イサキを三枚におろす手順は次の通りです。
- 魚を真水で水洗い
- ウロコを落とす
- 頭を落とす
- 腹を切り開き内臓をかきだす
- 刃先で血合いに切り込みを入れ水洗い
- 魚とまな板についた水分をとる
- 三枚におろす
- 腹骨をとりのぞく
- 血合い骨を抜く(または落とす)
- 皮を引く(皮を焼く)
- 刺身に切り付ける
基本通りの手順は以上です。では詳しく解説します。
魚を真水で洗う
魚には腸炎ビブリオ菌が付着してるので、調理する前に必ず真水で洗います。
真水の理由は、腸炎ビブリオ菌は真水に弱い性質をもっているためです。
ウロコを落とす

水洗いが終わったら、まず始めにウロコをとる作業です。
尻尾の方からウロコ取りや包丁を頭の方へ動かして取っていきます。
自宅でウロコを取る場合は、ウロコ取りを横に動かすのではなく、縦に動かしながら取っていくと飛びにくいです。
ウロコを落とさずに三枚におろして時間短縮する方法もありますが、皮を引く手順で身にウロコが大量についてしまい、結局時間がかかってしまうことがあるので、ウロコは最初で落としておきましょう。
頭を落とす
続いて頭を落とします。
包丁を入れる場所ですが、胸ヒレと腹ビレ、そして頭の後ろまでを線でつないで落とします。

頭や骨を、煮つけ、吸い物などに使う場合は、最初にエラを取っておいても構いません。どっちでも良いです。
ただ、個人的には頭を落とす前にエラを取っておいた方が楽な気がします。※私見です

エラを取るには接続箇所を切れば簡単にとれます。
- エラ周りの膜を切る
- 先端のつながってる部分を切り離す
- エラの付け根部分を切り離す
腹を切り開き内臓をかきだした後、血合いに切り込みをいれて水洗い
頭を落としたら腹を切り開き、内臓をかきだします。
内臓をかきだすと血合い部分に膜があるので、包丁の刃先を使って血合いの膜に切り込みを入れます。

血合いの膜に切り込みを入れたら流水で血合いを綺麗に落とします。
血合いの掃除には、爪楊枝を束ねたものを使用すると便利です。あとは「ささら」などを常備しておくと便利です。

魚に付着してる血は、できるだけ綺麗に取ってください。
ここで水分を切っておきます
血合いの掃除まで終えたら、ここから先は水は使いません。
まな板の水分はもちろん、魚についた水分もしっかりとふき取ってください。
三枚におろす
↓の画像のように魚を置き、腹→背の順に包丁を入れていきます。反対の身は逆の手順で、背→腹の順位包丁を入れていきます。
三枚おろしのポイントは、
- 力は入れずに包丁の切れ味でおろす
- 包丁の最初の一刀目はガイドラインを引く(包丁を入れる線を引く)
- 2回目にガイドラインに沿って包丁をいれ、骨にそって真ん中の大きな骨に当たるまで切り進める
- 真ん中の大きな骨に当たったら刃先を使って骨の上まで包丁をいれておく


包丁がしっかりと入ったら尻尾側の身をやさしく持ち上げて、骨と身を離します。

腹骨を取りのぞき、血合い骨を抜く(または落とす)
三枚におろせたら腹骨を取りのぞきます。
腹骨を取りのぞく作業は慣れないと難易度高めです。
コツを書いておくと、慣れないうちは丁寧にゆっくりと作業して骨の形を覚えること。
一気に外す必要はないので、ゆっくりと一本ずつ外していく気持ちで作業しましょう。
その反復で骨の形がわかるので、形が分かってくると自然と素早く外せるようになります。

腹骨を外したら血合い骨を抜きます。
血合い骨は包丁で落とす方もいますし、骨抜きで抜く方もいらっしゃいます。詳しくは、
で解説してます。
私の場合は基本的に抜きます。特に魚体が小さいものは血合い骨を切り落とすと、ものすごく小さくなってしまうので。
そこら辺は時間と、気分と、大きさで自身で判断してください。
骨抜きのポイントは頭側を手前に向け、しっぽ側から手前に向かって引くこと。
骨を一本抜いたら骨の形をチェックしてみましょう。曲線を描いてるので、その曲線に合わせて抜いていくと上手くいきます。
抜く骨の横を指で押さえながら抜くと身がボロボロなりにくいです。

ここまでで三枚おろしが完了です。
これまでの手順で三枚おろしが完了しました。
刺身以外の料理にするなら、ここから先は参考にならないので、フライ、煮つけ、唐揚げなどを検索してみてください。
ここからは刺身にする手順を紹介します。
イサキの刺身の作り方
イサキの刺身も何種類もの作り方があり、どれが正解などありません。
どこぞの誰かが間違ってると言おうと、ネット上にない食べ方をしようと、自分が美味しければ全部正解と言えます。
ここでは3種類の刺身の食べ方を紹介しますが、その前に皮引き。
皮を引く

それではいよいよ刺身に引いていくわけですが、その前に難易度の高い皮引きです。
写真では半身の状態で引いてますが、苦手な方は、なるべく皮の面積が狭い方が簡単なので、血合い骨に合わせて2つに分けてから引きましょう。
皮引きは、
- まな板がまっすぐであること
- 包丁とまな板を平行にして引いていくこと
こうすることで綺麗に皮が引けます。
イサキの刺身の色々な作り方

写真は焼霜(炙り)の平造り、そぎ造り、角切りの3種類で盛ってあります。
他にも薄造り、引き切りなど色々な切り方、食べ方があります。
それでは、始めに私が一番好む炙りの作り方から解説します。
イサキの焼霜(炙り)の作り方
イサキに限らず皮を残して炙って切り付けた刺身は、香ばしさがあり、適度な歯ごたえがあり非常に美味です。
手順はシンプルで、まずはイサキの皮をしっかりと焼き切ります。この時、氷水をボウルなどに用意してください。

画像のイサキは魚体が小さいので、そのまま焼いてますが、皮目に切り込みを入れてから(皮一枚だけ切る)焼くと反り返りを多少防げます。
さらに切り込みを入れて焼くことで、切る際の手間が少し省けます。
イサキの皮を焼くポイントは、しっかりと焼くことです。
ここでしっかりと焼けてないと、皮が口の中に残ってしまいます。香ばしさと食べやすさを重視した美味しい刺身に作るなら、皮が口に残らないよう軽く焦げ目がつくまで焼きましょう。
だからと言って焼き過ぎると皮が剥げてしまうので注意です。
皮目をしっかりと焼いたら氷水に落として粗熱をとります。


粗熱がとれたら水分を取り、冷蔵庫で30分ほど冷やしこみます。焼いてすぐに切ってしまうと皮が剥がれることがあります。
少し休ませたら刺身に切り付けます。焼霜にしたイサキは、そぎ造りより厚めの平造りが私は好みです。
厚めの平造りにする際は、炙ったイサキの皮目に尻尾から頭の方へ1本切り込みを入れます。(血合い骨の部分を目安にしてもOK)
さらに切りかけ切りにして皮を細かくします。
切りかけ切りとは、最初の一刀目は皮だけ切り、2回目で切り落とす刺身の切り方の手法です。
↓の画像をご覧ください。まず1回目は皮だけ切ってます。

続いて2回目で切り離します。

1切れの刺身ですが2回包丁が入っているということですね。こうすることで一層食べやすくなります。

食べ方は好みにもよりますが、ワサビ醤油、塩のみ、好きな柑橘+塩などで私は食べます。
そぎ造り
そぎ造りは皮目を下にしてまな板におき、面を広くとって削いでいく切り方です。

これは薄造りとは違い、それなりの厚さ(といっても分厚くではない)、適度な厚みで削いでいきます。
盛り付けは丸めて重ねる場合が多いです。

そぎ造りは、柑橘+塩であっさりと食べることが多いです。(私は)
1つの皿で切り方に変化をつけることで、盛り方に変化がでるだけでなく、食感も変わるので最後まで楽しめます。
角切り
最後、角切りです。これは角切りというより細かく切っただけですが….。

これはシンプルに小さく柵を取って細かく切ったものです。
この切り方は大葉の千切りや、生姜、ミョウガなどの薬味と一緒に和えることが私は多いです。

こうして1匹のイサキでも切り方を変え、食べ方を変えることで最後まで楽しめます。
これを読んでるあなたも、いろいろな食べ方を知り、薬味を知り、切り方を知り、自分なりの最高の食べ方を模索してみてください。
私も探していきます。YouTubeチャンネルも応援よろしくお願いします。
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