
知名度も高く、高級魚として知られるヒラメのさばき方を解説します。
この記事では下処理から5枚卸までの手順、そして刺身の切り方、食べ方まで書いてみます。
そして豆知識として養殖と天然の見分け方もどうぞ。
テキストより詳しく解説してますので見れる環境にある方は動画をお勧めしてます↓
ヒラメの天然・養殖・放流の見分け方
まずヒラメの天然、養殖、放流について触れておきます。
見分けかたは非常に簡単で、裏面の模様を見れば一発で確認できます。↓の画像は天然ヒラメの裏側

天然ヒラメは裏返すと斑点がなく真っ白なのが特徴。逆に裏面に斑点があるものは、養殖、または放流されたヒラメ。
↓の画像は放流されたヒラメです

真っ白な天然物とは違い、放流されたヒラメには模様がありますね。
ちなみに完全養殖のヒラメは更にはっきりと模様が出ます↓

これ、表面じゃなくて裏面ですからね。もう斑点ではなく模様のようになっています。つまり
- 天然ヒラメ→真っ白
- 放流ヒラメ→斑点あり
- 養殖ヒラメ→模様あり
となります。天然・養殖を確認したい場合はひっくり返せば判別できるという豆知識でした。
ヒラメのさばき方
下の画像は2キロほどの養殖ヒラメです。

このヒラメを使って解説していきます。
まずは水洗い
始めに表面についているヌメリを水洗いします。
水洗いで取れないような場合は包丁を使ってヌメリを落としてください。
ヒレを切り落としておく(必須ではありません)
水洗いを終えたら、この時点でヒレを切り落としておくと後の作業がスムーズになります。
両サイド、胸鰭(むねのヒレ)も落としておきましょう。キッチンバサミなどが無い場合は取らなくても問題はありません。



ウロコを落とす
続いてウロコを落としていきますがヒラメの場合は、包丁を使った「すき引き」という手法が紹介されてることが多いです。
すき引きとは↓のように包丁を使ってウロコを落としていく方法。

でもですね、すき引きは、
1.ある程度の包丁の切れ味が必要
2.慣れるまでは難易度が高い
これらの理由から自宅で捌く際にはお勧めできません。難易度が高くともやってみたい!という方は別ですが。
そこでお勧めしたいのが「金タワシ」を使ってウロコを落とす方法です。(もちろん専用のウロコ取りを使ってもOKです)

金タワシを使って表面をこするとヒラメのウロコは簡単に取ることが可能です。
表、裏としっかりと取りのぞきましょう。
ちなみに「すき引き」にチャレンジする方へコツも書いておきます。
0.ヒレは先に落としておく
1.包丁を研いで切れるようにする
2.刃先は軽く上向きにして包丁を前後に動かして進める
3.力を入れず包丁を前後させて包丁の切れ味で進めていく
詳しくは動画で解説してるので興味のある方は動画も視聴くださいな。
頭はニガ玉に注意しつつ落とす
ウロコを取り終えたら頭をおとします。
ここは重要なポイントでニガ玉(胆のう)を傷つけないよう落としましょう。

ニガ玉をつぶしてしまうと苦みが身に移ってしまいます。ニガ玉はヒラメの白い方の身の中心線上にあります。
↓画像の包丁の刃先部分にあります


頭の落とし方としてV字に落としても良いですし、あまりこだわらない方は普通にまっすぐ落としても構いません。

内臓.魚卵を取りのぞき血合いを落とす
腹に魚卵が入ってる場合は指を入れて先に取りのぞきます。(煮つけたら美味)

続いて血合いの膜を包丁の刃先で切り水洗いして落とします。
魚とまな板の水分をふき取り5枚卸
ここまでの工程を終えたら、まな板や魚についた水分はしっかりとふき取り5枚卸におろします。

5枚卸の手順は、まずヒラメの尻尾から頭側に向かって中心部分に包丁を入れます。

頭側の骨の位置を確認し、尻尾側に伸びてる線を目印にして切り込みをいれましょう。
さらに尻尾側に切り込みを入れます。(落としてしまってもOKです)


続いてスムーズに卸せるように両サイドのエンガワ部分にも包丁を入れておきます。


ここまで完了したら包丁の刃先の曲線部分をうまく使って骨に沿って滑らせるイメージでおろしていきます。

おろすというより刃先の曲線部分を骨にそって滑らせながら剝がしていく感じですかね。
先ほどのエンガワ部分の切り込みに届くまで尻尾側から包丁を滑らせていく

ゆっくりと身を軽くめくりながら丁寧に包丁を滑らせましょう。(強く身を持ち上げると身が割れてしまうので注意)
お次は腹側をおろしていきますが、こちらは腹骨(ガンバラ)の接続部分があるので切り離します。
少し硬めなのでケガしないように注意してください。

後は先ほどと同じく骨に沿って包丁を滑らせてエンガワの切り込み部分に到着するまで切り進めるって感じです。
反対の身も同じ手順を踏めば5枚卸の完成です。
腹骨を外し皮を引く
5枚卸が完了したら腹骨を外します。
腹骨は丁寧に骨に沿って包丁を進めていくことを意識しましょう。急ぐ必要はないですね。

そうしたら皮引きです。
皮引きのコツは「できるだけ皮の面積を少なくする」ことなので、まずエンガワを外してしまいます。
身を持ち上げるとエンガワと身の境目が確認できるので、先に包丁を使ってエンガワを切り落としてします。

こうることで皮引きの難易度が下がります。
色々な刺身の切り方と食べ方
それではいよいよ刺身に引いていきますが、今回は以下の3通りを紹介します。
1.薬味と一緒にポン酢で食べる薄造り
2.それなりの厚みを残すそぎ造り
3.柑橘と塩で食べる昆布締め
薄造り
薄造りは文字通り薄く引いていく切り方です。
切り方は人それぞれありますが、私の場合は皮目を上にしてまな板に置き引いていきます。
家庭用の包丁だと難易度高めですが、薄く引いて扇状に並べると綺麗に見えます。
並べる際は切った後に先を折り曲げて角を立たせるようにすると仕上がりが素敵に。

私の場合は薄造りにする際は、紅葉おろし、ねぎを添えてポン酢で食べます。
そぎ造り
薄造りと切り方は同じですが、こちらは少し厚みを持たせて切っていきます。
柑橘を添えてわさび醤油で食べる場合には、この切り方にすることが多いです。(私は)

昆布締め
昆布締めにする場合は柵の状態で軽く振り塩します。(柵ではなく切った状態でする際も同じ)
続いて酒で戻した昆布で身を挟みます。

さらに、昆布で挟んだ身をラップで包み1日冷蔵庫で寝かせます。

ちなみに刺身(切ってから)を昆布締めする場合は3時間ほど寝かせればOKです。(後は好みで調整してください)
昆布締めは通常の刺身より身がしまるので、私は少し薄めに引いてます。
厚めに切り付けるのであれば切った後に包丁を入れると食べやすくなります。
以上、ヒラメのさばき方、刺身の切り方でした。

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